ponsharaのテレビ評 と映画評
TVドラマ評
『BODER』 ★★★☆☆
小栗旬主演
頭に銃弾が打ち込まれて以来、現場の被害者(死者)の姿が見えて会話できるようになった刑事の物語。
最後に、完全犯罪を成功させる犯人役に大森南朋が登場。これから新章に行くかと思ったら、ここで終わってしまい残念。
テレビ朝日木曜9時枠の連続ドラマとして放映されたが、とくに宮藤官九郎が死体で登場した回がものすごくおかしかった。
どじで明るいキャラクター以外の役も、できるんだ波瑠さんは。
解剖シーンの服装が、ちょっと変。普段着の上からビニルをかぶるのは、ちとおかしい。故にマイナス2
フランス映画に、ジャン・レノが頭に弾丸を入れたまま活躍する喜劇『ミックマック』があるが、こちらの方が100万倍おしゃれ。
『約束のネバーランド』 アニメ ★★★★☆
こどもが大人に抵抗して、自由を求めて「人肉牧場」から脱走し、自分たちを食物として消費するものたち「鬼」を退治する・・・のではなく、彼らが人肉以外のものを食べて生きられるように、人と鬼が戦わなくても共存できる世界を作る。
素晴らしい内容だったが、惜しいかな。最後、最後の前の回が端折りすぎている。最後の結末こそ、一番じっくり描かれるべきだった。大人の事情なのか。始まりから前半が長すぎたと思う。ただ特級肉とされる、頭の良いこどもたちはどうやって生み出されるのか。描かれていなかった。試験管内で作られた命なのか?少年向け漫画だからそこは、描かないのかな。
『俺の家の話』 ★★★★☆
これは、とても面白くて毎回ほろりと涙がこぼれた。まさかの最終回には、泣かされた。能、狂言は生で鑑賞したことがないが、実際に見てみたいと思った。
西田敏行が、認知症で介護が必要な家元役。西田自身に能の素養があり、他の役者も相当勉强して、謡い舞った。桐谷健太は、発声も姿勢も舞も素晴らしかった。
常磐ハワイアンズの場面で、アベサダヲと息子たちが舞台に立ち、純烈のパロディーをした場面が、ものすごくおかしかった。道中、皆が親父の浮気相手行脚につきあわされて、げっそりしたり、楽しそうにしていない息子を気遣う長男の姿が。とてもリアルだった。
演目「隅田川」は、本当に哀しい。宮藤氏もたくさんの資料を読み真面目に書かれたのだろう。
人間は、滑稽だ。
多くの悩み苦しみ、辛さを抱えているが、ときにそれがおかしくなる。昔のホームドラマのように、大きな食卓で家族皆が一斉に「飯を喰う」場面が面白かった。
都昆布は、皆の好物だったのだろうか。
滑舌の悪い長州力が、棒読みのセリフを「あべのマスク」越しに話すのが、非常におかしかった。
映画評
『望み』 ★★★☆☆
高校一年生の長男が、家を出てから帰って来ない。友人がナイフで滅多刺しにされた死体で発見される。わが子は加害者なのか。あるいは、わが子も既に殺されているのか。
堤真一が父親、石田ゆりが母親。おしゃれで人が羨む家に住んでいる、中流以上の家庭。マスコミは犯人扱いし。ネットでも息子は誹謗中傷される。
息子が生きていてくれれば、犯人でも構わないと願う母。息子が殺人をするわけがないと信じる父。一流高校を目指して受験勉強中の中3の妹。
恐ろしくも、リアルな家庭劇だった。
意味もなく、幸せな家庭に生卵を投げつけたり、ペンキで『人殺し』と落書きをするものがいる一方で、家出している長男を知るクラスメイトたちは、彼を信じ続けていた。
マスク警察のように、やたらと正義を振りかざして騒ぐだけではなく、暴力を振るうものまでコロナ禍の社会に現れている。恐ろしいことだ。
もう少し世に強く訴えかけるメッセージがほしかったのでマイナス2