意地悪ばあさん

ぽんママは、若い頃からへそ曲がりで人格の歪みのあるひとだった。もうすぐ、米寿になる。認知症が進んでいるらしい。ふるさとに住む母。兄嫁を、けったくそに悪く言っていたのだが、今は彼女を頼りにそばにつきまとっているらしい。若い頃は、「顔も見たくない」と言っていたが。

ただし、彼女の姿が見えないときに来客があると、悪口を言いたい放題だそうだ。戻ってくるとぴたりと止めるそうなので、まだ、脳の回線はつながっているのだろうか。

 

なにひとつ、お親孝行をしない長男のことを溺愛して、マルオ(仮名)がこんなに良いことをしてくれた、金をくれたと言う。しかし、いつも孝行して介護してくれるのは次男だ。次男が気に喰わないので、彼の悪口ばかりを皆に言うのだった。