ponsharaのテレビ評

テセウスの船』  ★★★☆☆ 2020年 TBS日曜劇場 全10話

31年前(昭和63年3月)音臼村小学校で起きた、21人毒殺事件の犯人として逮捕勾留されている父の無実を息子が晴らそうとする。何故か、当時母の胎内にいた息子はタイムスリップすることができる。そして、過去が彼の活躍で変えられる。

過去を変えると、未来も変わる。

不幸な出来事は帳消しになるが、・・・。

凶悪事件の犯人とされた父親、その加害者家族は世間からどんな仕打ちを受けるか。これはとても辛いことだが、現実だろう。まして、冤罪で31年間も拘禁されて家族からも見放されて、父親の苦悩はいかばかりだったことか。

毎回、誰が犯人なのか。

犯行の動機は何かと回を追うごとに、怪しい人を登場させる。これは放送当時、視聴者をワクワクさせたことだろう。アマゾンプライムで一気に観てしまったが、・・・。毎週一話ずつという視聴をするほうが、楽しめたかもしれない。

31年前の暮らし、とくに父親がアントニオ猪木の真似をしたり、こどもたちがプロレスごっこをするのが、おかしかった。子役はとても芸達者。

 

漫画が原作だが、ドラマ化にあたりかなり内容が変更されている。『模倣犯』もそうだったが、映画化されたとき小説とは全く違うラストで、驚かされた。

過去の不幸を取り返して別の未来を作る、というのは、いかに家族愛がテーマだとしても、タイムスリップできる理由付けがないので、マイナス2★