ぽんの読書日記

『自由思考』 中村文則 河出書房新社 2019刊 ★★★☆☆

エッセイ集。今年は中村が作家となって20年目だという。時事評論が、やはり面白い。小説家が政権批判をするのは、稀なことではないか。彼は堂々と新聞に社会時事について意見を述べている。すかっとする。

共感する部分が多い。とくに、どんな国民になりたいかの文章は秀逸だ。大笑いしてしまった。

自作についてや、心の声なども面白い。

幼い頃、ダンゴムシになりたいと思っていたそうだ。ある画家を思い出した。彼は、ダンゴムシになった自分や、飛行機になった自分を描いていた。

マイナス分は、時間に負われて適当に書いてしまった箇所があるので。

しかし、エッセイとはそういうものなのかもしれない。

中村が、目の下のくまについて思い悩んでいるようだが、これはおかしい。彼はなかなかの美男子である。しかし、容貌にコンプレックスを持っていたなんて。

オードリー・ヘップバーンもそうだった。

客観的な美しさをご本人は、認めたがらないのだろうか。