今週のお題「鬼」

今週のお題「鬼」

鬼のモデルは 大きくて頭に角が生えている「牛」だろうと言う人がいる。

手塚治虫の漫画に『鬼丸大将』があるが、日本に漂着したローマ人と日本人の母を持つ鬼丸が、仇討ちをするという時代劇。日本人にとり、鼻が高く碧眼で金髪、血に見えるワインを飲む白人は、正に鬼に見えたことだろう。日本人は、自分たちと異なる姿のものを、極端に恐れたり排除しようとする。

また、永井豪が描いた『酒呑童子』『デビルマン』も、鬼がモデルではないだろうか。

平安時代には、『陰陽師』に描かれているように、やたらと鬼、魑魅魍魎がいたらしい。

『鬼』は架空の存在、妄想の産物だ。『仏』に対する反概念であろう。人ならざる物、妖怪の中で、非常に残虐で強いものを指すのかもしれない。

また、昔の人々は、自分たちに降りかかる災厄・自然現象は、鬼によってもたらされていると考えたりもしている。疫病然り、雷神風神然り。

鬼の欲求を満たすために、人身御供をするという習慣は日本にも、インカ帝国にも中国にもあった。

一方で、人間の中に人智を超える能力のあるものが、ときどき生まれるが、この人のことを「鬼才」と呼ぶ。鬼のように強い、とも言う。

あるいは、「心を鬼にして」辛いことを実行するとも言う。

 

鬼は、大正時代まで、この日本にいた。

炭治郎達、鬼殺隊が滅してくれたので、今はいない。

 

だが、しかし!

人の心の中には、彼らの血が含まれている。あるものは、それが多いのでものすごく早く走ったり、素手で熊を殺すこともできる。あるものは、小さい不正をしたり自分より弱いものをいじめている。

 

人の心の中にいる鬼は、誰にも退治することはできない。私の心の中にも、鬼はいる。