z さんの7回忌
もうすぐ、zさんが亡くなって6年が過ぎる。
そのことを、わたくし新聞に書いた。書いていて、涙がぽろりとこぼれた。憎いばあさんだった。享年92歳。死ぬまで現役主婦だった。
彼女に道端で出会うと、話が長いので嫌だったが、・・・。じっと耐え忍んでいたponsyara。
晩年は、足が弱って来てからは、心配になり手を引いてあげたり、ゴミ出しをしてあげたりしたが、偶然出会ったときのみで、さりげなくしていた。
自宅で転倒して骨折し入院していた病院から戻ってきたとき。次の受け入れ先・介護施設を決める間、自宅にいると彼女の息子が言った。何度も「遊びにおいで」と言ってくれていたが、・・・。初めて彼女の家に上がり、お見舞いした夜が最期だった。
また遊びに来ておくれ、というのが最後の言葉。
知的障害のある息子さんとずっとふたりで暮らしていた。できの良い、もうひとりの息子が、母親孝行をしていたが、・・・。
嫁のことを一切ばあさんは語らなかった。賢い人だった。
嫁は、ばあさんの見舞いにも看病にも来なかった。