ponsharaのテレビ評

『アンナチュラル』  ★★★★☆ 野木亜紀子脚本 2018年1月12日から3月16日までTBSテレビ系「金曜ドラマ」で放送された

アマゾンプライムで大人鑑賞。

不自然死した人の死因を究明するために、解剖する女性法医学者ミコトが主人公。死因は様々で、その人の死に至る物語は、社会の歪みが表に出てくる。

最後の連続殺人事件は、サイコパスの犯人より、それを面白おかしく書き立てることで、大儲けしようとするエセジャーナリスト(北村有起哉)が、怪演。

「くそ○○」と言うのが口癖の、中堂役井浦新は、復讐の鬼と化して恋人を殺した犯人を、自らの手で殺そうとしていたが、とても怖かった。

 

ミコトの同僚 検査技師の東海林夕子役の市川実日子がふたりとも、死体に慣れている

役だとはいえ、あまりにも自然体で解剖を粛々とこなしていく場面はすごいと思ったが、やや不自然。既に恐怖は無くなっているベテランの域に達しているのかもしれないが、・・・。

 

窪田正孝演じるアルバイト役で、週刊誌のスパイもしている青年の屈託、不安の表現が素晴らしかった。難役だったと思うが、彼はうまい。

 

どの回も展開が早く、意外な結末となっていた。高校生のいじめ問題の回は、辛かった。

自殺にも追い込まれるいじめを「殺人である」という主張。まったく同感だ。

インターネットでこれを告発しようとしたいじめられっ子側の作戦が、面白かった。殺人の生中継、自殺の配信も現実に起きているかもしれない。

働く女性の孤独、難しさもよく描いていた。

ただ、早口過ぎて聞き取れぬセリフが多く、もう少し年寄りにもわかりやすい作りにしてほしいので、マイナス1★