ponの読書日記

『コロナと潜水服』  奥田英朗  ★★★☆☆

読者層を絞った短編集。会社員、作家など中年男性の会社や家庭の問題を奥田独特の、ユーモアと優しいまなざしで描いている。

とくに、コロナに感染しないようにと、潜水服を着て外出する男の話は可笑しかった。すべてに、死んだ人たちが出てくるがそれは、今生きている人を助けようとして現れる。だから、全然怖くない。

リストラされて倉庫の警備をすることになった、かつてはエリート社員だった中年の男性たちが、かつてあったボクシング部の道具を見つけて、部活動のように練習を始める話は可笑しくも、切なかった。

彼らに特訓をしてくれるコーチは・・・。