ponsharaのテレビ評
『コールドケース』 wowwow 制作 2016年~ シーズン1,2 ★★★★☆
アメリカで大ヒットした同名のテレビドラマを元に日本版としてリメ―ク
クールでテンポよく過去の未解決事件を解決するチームの物語。主人公はドラマ初主演の吉田羊。彼女が「中隊長」と呼ばれるリーダー石川百合役である。上司は三浦友和、部下に光石研、滝藤賢一、永山絢斗。ヒロインは攻殻機動隊の草薙素子を彷彿とさせる、冷静で力強い女性刑事だ。彼らには、それぞれに非常に深い哀しみの過去がある。これも、いずれシーズン3で描かれるだろうか。期待したい。
過去の未解決凶悪事件は、少なくない。そして、それぞれに時代背景が異なる。戦後の日本の混乱時代、学生運動、バブル、児童虐待、冤罪事件など、テーマは非常に重くえぐい。
迷宮入り事件を、現在の時点から調べていくチームの面々は演技が達者なものばかり。犯人役の毎回のゲストも、一流の役者ばかりを起用している。
そのことにも、非常に驚いた。
脚本も素晴らしい。
しかし、どうしても人を殺さねばならない状況だったかというと、そうでもない回の場面もあり、そこがマイナス1★。
例えば、高校生カップルの生んだこどもを引き取ろうとした、夫妻が断られて逆上する場面だ。養子縁組は、合法的にできる。まして教養のある教師の立場なら、・・・。
また、小児性愛の異常者が、幼い兄弟を刺殺するのも、やや無理がある。
事件が解決すると、必ず死者が元気な頃の姿で立ち現れ、石川刑事(主人公)にだけ見える。「やっと真犯人を突き止めてくれたね、ありがとう。」とでも言うように。彼らの姿は、清々しい表情をしている。
怖い思いをしてこのドラマを見てきた視聴者は、ほっと胸をなでおろすのだ。
とくに、印象深かったのは、仲代達矢、佐藤浩市、田中圭、ユースケ・サンタマリア、北村有起哉の回。