ふじみ野立てこもり事件

92歳の母親が死んで、「いいことがなくなった」からと担当医師を散弾銃で射殺。その後立てこもった66歳の男。

続報で、この親子が生活保護受給者であったことに驚いた。自分たちの生活を、国民の税金で保護してもらっていた男が、在宅診療をしてコロナ患者をも救っていた仁愛ある医師を殺してしまうとは!

どれだけ多くの患者が、嘆き悲しんでいることだろうか。実際に、医療スタッフ自体がオミクロン感染により働けなくなっている。また、感染者の急増により、一般診療が崩壊寸前だというのに。

なぜ、彼は、自分のお母さんが死ぬということを受け入れられないのだろうか。66歳にもなって。

ある人は、「寝たきり大黒柱」という言葉を使って解説している。確かに、8050、9060問題として、引きこもりの50代、60代のこどもが、両親の年金で暮らしていて、彼らが死ぬと生活が立ち行かなくなるケースが増えているから、死んでいても届けず年金を不正に受給し続けたり、絶対に延命させてくれと、医師に頼むそうだ。愛情からではなく、自分が今まで通り生きていけるように。

大阪北の新地のクリニックの放火殺人事件と、この事件は拡大自殺によると言われるかもしれない。医師が殺される時代になった。

しかし、彼らは非常に優れた医師で、多くの患者から慕われ治療してきたひとたちだった。悔しい。もったいない。

確かに、まったく患者をないがしろにしている勤務医も、いないことはない。患者に恨まれるようなことをしている人もいるだろう。

しかし、私達ひとりひとりの命が大切なように、医師の身の安全を守る態勢も構築していかねばならない。

労使関係が同等なように、医師と患者、お店と客も同等だ。

コロナによるイライラ感も、増幅しているからか、あまりにも、カスタマーハラスメントが横行しているのではないか。日本式の「お客様は神様です」という考えを改めるべきだろう。