ponの読書日記

『プロメテウスの罠』 ★★★☆☆

東日本大震災福島第一原発事故から11年目にして、初めて読んだ。朝日新聞記者たちの現場ルポ。

原発を建設して稼働させるということは、万が一の事故をあらゆる角度から想定して、暗線対策を講じなければならない。まして、地震国日本の津波をかぶる位置ばかりに建設するのなら。

想定外の事故は必ず起きる。その対応策は、ない。二重三重、いやもっともっと次の一手を準備しておくべきだった。首相以下、政治家は誰も対応策がわからない。

現場の東京電力職員も。

 

ああそれなのに、国民がパニックになるといけないからと、すぐに周辺住民に危険を知らせなかったのだった。枝野氏は「ただちに、人体に影響を及ぼすものではない」と。

管首相は、かんかんになった。

だが、怒りを爆発させている場合ではない。

本当に、緊迫した現場だったことだろう。

東電の職員は、死ぬかもしれないと思いながらも、必死に善処したのだと思う。吉田所長は、既に亡くなられた。

 

福一の廃炉作業は、今日も進められていづが、・・・。まだまだ汚染土の行く先は決まらない。住民に帰還を促しているが、どうか住民の健康と安全にまずお金をかけてほしい。

 

過疎地の人々が、原発が事故を起こすわけがないとなかなか避難しようとしなかったという記述には、胸を衝かれた。

事故後にウクライナから援助をしてもらったということ、共同で放射線の影響を研究していたこともわかった。

チェルノブイリ原発その他を攻撃した、ロシア軍。狂気の沙汰だ。ウクライナの人々はもとより、自国の兵士の命を捨て駒だと考えている、それどころか、自国民もヨーロッパ中の人々を被爆させても構わないと考えているのだろうか。自分だけではなく、子々孫々に被害が及ぶというのに。